いよいよ21世紀の幕開けですね。
まるっきり「SF」の世界のように思ってたけど、
ついに現実になってしまいました。
パンダ32も「旧世紀の異物」・・・もとい「遺物」と言われないよう、
老体に鞭打って日々努力しておりますが、
漫画やアニメ・特撮の話になると、やはりお年がバレる・・・いえいえ、
つい昔懐かしき世界に逃避してしまいます。
さあ、今回も思い切り逃避してみましょう!!

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前回(あ〜、もう前世紀!)、次は「ベルサイユにばらが咲く〜♪かなあ」と書いたために、
何人かの方から「『
ベルサイユのばら』ですね」と激励のお言葉を頂きました。
『ベルばら』は確かに私も熱狂したことのある作品ですが、
採り上げるのはまたの機会ということで・・・。


というわけで、第四回は『
白ばら物語』です。
ん?なんか文句ある?(;¬_¬)→皆様 ・・・同じ「
ばら」だからいいでしょ!白ばら物語・MC表紙

(ミッキー先生の『薔薇のイヴ』じゃなくてよかったでしょ!それともあっちの方がよかったかしら?「いたぶられる」シーンもあるしねえ・・・(*^-^*)ケケケ)

作者は近代少女漫画のエポックメーキング、「
学園ラブコメ」の創始者と言われる、
西谷祥子先生です。

西谷先生は『ベルばら』以前、つまり「少女漫画が市民権を得た(※註1)と評された時代以前の少女漫画を代表する作家だと思います。

デビューされたのは昭和36年で、当時は
石森章太郎先生、横山光輝先生、ちばてつや先生など、少年漫画の大御所達や、牧美也子先生、水野英子先生、わたなべまさこ先生、細川知栄子先生という「ビッグ4」(勝手にそう呼ばせて頂きます)が少女漫画界をリードしていらっしゃいました。

この時代と『
ベルばら』、あるいは「24年組」と言われる面々が活躍する時代との過渡期に君臨されたのが西谷先生であると、私は考えます!

最初はおもに『
マーガレット』、その後、活躍の場を『セブンティーン』に移され、その作風もより大人っぽいものへと変わっていかれました。恋は水着から

現在、その殆どの作品が絶版となっているのは非常に悲しいことです。古本市場では相変わらず人気が高く、高値取引されています。

出版社(特に集英社)様、是非、「西谷祥子作品集」を発行してくださいますようお願い申し上げます。


※註1:「
少女漫画が市民権を得た」云々発言はよく聞かれますが、どうも「男性が読むようになった」ってことが言いたかったらしいですね。
じゃあ、女には市民権ないのかい、と突っ込みたくなりますねえ。
大体『
ベルサイユのばら』って男性がそんなに読んでた印象ないんだけど・・・?
多分、どっかの大学の教授( (;¬_¬) →某篠○教授じゃないだろなあ・・・?)が、「ボクは『ベルばら』読んでますよ」とか、受け狙いで言ったのが発端なのでは?
その教授、多分「我こそは日本男児の代表」って言う自意識過剰な方で、「ボクが読んでる」=「日本中の男が読んでる」って拡大解釈したんでしょうね。
おっと、これは私の勝手な想像ですよ。
でもね、
昔から、読む人は読むし、読まない人は読まないのが「漫画」ってものでしょう?少女向けにしろ少年向けにしろそれは同じだと思うんだけど・・・。
「市民権」って言われてもねえ、そんなもの「漫画」に必要ないんじゃないかな?


白ばら物語』は集英社発行・週刊マーガレット(昭和40年44号〜昭和41年1号)に掲載された作品で、単行本(マーガレット・コミックス)は昭和46年(1971年)1月に発行されています。
勿論(*^.^*)、雑誌掲載時は全然知りませんよ。

この作品は
私が初めて購入した漫画単行本なのです!

既に『
ベルサイユのばら』が連載され、そろそろクライマックスを迎える頃だったと思います。
(当時私は『別冊マーガレット』を購読していました。)

駅前の今は亡き小さな書店の表に全部で50冊にも満たない漫画単行本が並んでいました。
なぜ、その棚に手を伸ばすことになったのか思い出せないのですが、何冊か眺めて、表紙が一番気にいったのがこの作品でした。ご覧の通りの「お姫様」絵です(*^-^*)

マーガレット・コミックスは当時定価250円、本体に直接表紙絵が印刷されていて、ビニールカバーがかかっていました。ビニールカバーにも数バージョンあって、私が好きだったのは細かい筋が入っていて触ってもベトベトしないタイプのカバーでした。ギャングとお嬢さん

値段が320円に上がると共に(多分例の「オイルショック」の影響)本体はオレンジ色、紙カバーに表紙が印刷されている今のスタイルに変わりました
(※註2)。当初は現在のようなビニールコーティング(ラミネート加工?)はされておらず、モロに紙、という感じのカバーで、汚れやすく、読んでいるうちに折り目が破れてとれたりしてました。(小学館・フラワーコミクスも同様!あれも作りがチャチでした。)
その後、340円、360円・・・と価格があがる段階で「ビニールコーティングされた表紙カバーに変わっています。現在の価格は390円ですね。



※註2:ちなみに『
ベルサイユのばら』では第8巻発売時から新装版になっています。(第7巻までは定価250円のビニールカバー版が存在するんですよ〜、コレクターの皆様!)


内容ですが、あいにく「学園ラブコメ」ではありません。
白ばら物語』の舞台はイギリス。

主人公
エマ・ジュランは田舎の大地主のひとり娘。詩人の叔父ハロルドに憧れ、将来は小説家を夢見る15歳。父の命令で都会の上流階級の家庭・ネフ家に行儀見習(!)に行きます。そこには裕福だが家庭を顧みない父親、美しいが愛情薄い母親、華やかで派手好きな姉、自分の殻に閉じこもった双子の妹、といった「家族」を憂える少年・ウィリーが・・・。

絵に描いたような問題家族が、しかし、いくつかの事件をきっかけに、凍り付いていた愛情を取り戻していく、という絵に描いたようなお話

その後の少女漫画でもさんざん使いまわされるモチーフがすべて登場します。
主人公エマは、例えば後年の
花村紅緒やキャンディーのように自ら積極的に働きかけるわけではなく、あくまでも狂言回し
いくつかの出来事をただ傍観し、感想を述べるという役どころでしかありません。


ひざまづいて手のひらの下にふるえている弱々しい少年の肩をわたしはどうすればよいのだろう」(マーガレットコミックス・107ページより

さっきとはうってかわった静かな微笑にわたしはとまどった。このひとはなにを考えているのだろう、いったいなにを・・・」(マーガレットコミックス・108ページ


傍観するだけで、なすすべを知らない少女。
それはもしかしたら、昭和40年当時の女性像を象徴していたかもしれないし、物語の時代背景(はっきりはしないけれど、馬車が走っているし、パニエ入りのドレスを着ているところから見て1800年代半ばくらい、でしょうか)に即したキャラ設定だったのかもしれません。
白ばら物語・MCより
エマは特にこれといって際立った特長を備えたキャラクターではありません。将来の希望(作家)も父親に対する反発も漠然としたものだし、普通に可愛いく心優しい少女、というだけでなんですが・・・。

この普通っぽさ、自己主張のなさが好きですね。「古きよき少女漫画」の住人としてはこれくらいがちょうどいいのよね。

当時は小難しいことは抜きにして、ただ、おもしろかった!
この小さな本の中に別の世界が広がっているようで、夢中になって読みました。

冒頭で語られるエマが創作した童話、毎回変わるエマのドレスの可愛らしさ、ウィリーのお母さんのきれいなこと、姉・マリアが駆け落ちしたあと振舞ってくれる食事がとても美味しそうに見えたこと、今でもあの時と同じ気持ちでこの本を眺めることができるのは、少女の心を失っていないってことかもね!(*^.^*) 

「漫画」の命はやはり「絵」。
西谷先生の当時の絵は、丸みをおびて柔らかい描線と、ケバケバし過ぎない目(
白い四角がふたつ輝くお目々がステキ)が好きです。
細川知栄子先生のケバ目とか井出ちかえ先生のウニ目も捨てがたい魅力がありますが・・・。)
加えて豊富なファッション性。
雑誌掲載時には広告が入っていた余白部分に単行本では書き下ろしイラストが入っていますが、ドレスを着てポーズをとる少女達の絵にも秀逸なものがありますね。
いわゆる「お人形さん絵」の理想形でした。「こんな風に描けたらいいな」と思いながら、似ても似つかない絵を描いていましたっけ!

同時収録の『
オリビア』『いしだたみ』はともに大人っぽい題材の短編でこちらも大好きでした。舞妓さんが芸妓さんになる、ということを知ったのは『いしだたみ』を読んでからです。
ジルとMr.ライオンマリイ・ルウ

「少女漫画が市民権を得た」時代の作品のように華々しく採り上げられることはありませんでしたが、この時代の少女漫画は、ちょうど
駄菓子屋さんで売っていた玩具の指輪みたいに、私には忘れられない大事な大事な宝物です。








皆様も自分のお小遣いで初めて買った本の思い出が
おありだと思います。
(・・・誰さ、いつも「ばあや」に買ってもらってたって抜かすブルジョアは!)
まだお手元におありなら、たまには取り出してみてはいかがでしょう。
耳にあてれば、ほら、幼い日々のセピア色の思い出が蘇ることでせう。
「あたたかい〜ひとの〜情け〜も〜、胸を打つ〜熱い〜涙〜も〜♪」
そうよ〜、私はみなしごパンダ〜(;O;)嗚呼

最後まで読んでくださった方、どうもありがとうございます。
ご意見・ご感想など頂ければ幸いです。
次回のテーマは一部には非常に評判の悪い(*^-^*)水島漫画第2弾、の予定。
「弟よ、おまえ〜は、幸せをつかんで〜ほしい〜♪」
それでは! byパンダ32  



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パンダ32のぷろふぃーる

昭和30年代後半(とっても後半!)神奈川県に生まれる。
性別:女性である
家族構成:両親と娘(ビーグル犬の女の子)、あと弟ひとり(最近所帯を持った)
生活手段:会社で一日パソコン相手にお仕事する
彼氏:飛葉ちゃんに健ちゃんに小次郎兄さんにハカイダーさまに主水さまにカムイに・・・(∞)
夢:お嫁さんになること!
スリーサイズ(ニャンちゅうさまリクエストにお応えして):上から100・100・100
チャームポイント:目の下のクマ(パンダだし)
特技:口笛(「ハカイダーの歌」も吹けちゃうぞ!)


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