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親も兄弟も家もない黒犬のらくろ。ふとしたことから入隊者募集を知り、名高い猛犬連隊に入隊する。あわて者ののらくろは隊の中で珍騒動を巻き起こす。
戦前に大人気だったのらくろのテレビマンガ化で、原作は田河水泡。
人気の高かったのらくろの二等兵時代を描いており、本作品では、新たに二等兵の同僚としてメガネ、デカ、ハンブル、軍医のバーナード、看護婦のミコを登場させている。
軍隊が舞台といっても、たいていは、訓練や対抗試合でののらくろの愉快な失敗を描いており、山猿軍やトンカツ軍との戦いもほのぼのとした話が多かったが、原作に描かれたみよりのないのらくろの孤独と悲哀は挿入歌「どこからぼくは」に乗せ、うまく表現されている。また、作品中で脱走捕虜を銃で撃つか悩む看護婦ミコや砂漠で手持ちの水が乏しいときに撃墜した敵兵を置き去りするかで迷うのらくろなど原作になかった戦争の残酷さを表現する話もあり、ただの懐かしのマンガで終わらせなかったのは制作者の力量といえるだろう。
出演は、のらくろに大山のぶ代、メガネに大田淑子、デカに兼本新吾、ブル連隊長に雨森雅司、モール中隊長に納谷吾朗、ミコに松尾佳子、山猿大将に寺島幹夫、トンカツ将軍に神山卓三と芸達者なメンバーがそろっていた。主題歌、劇伴は山下毅雄。主題歌はのらくろ役の大山のぶ代が歌っている。
最終回、連隊への帰還途中、山賊に襲われ、のらくろはブルと共に捕まってしまう。救援に来た山猿大将とブルを人質にし戦車を要求する山賊にのらくろは仲間と共に機転の飛行機での攻撃で山賊を倒し、ブルと山猿大将を助けることに成功する。
戦車を調達すると言ってのらくろを逃がし死を覚悟したブルに「ずっと、戦ってきたが、猛犬連隊も山猿軍も戦争などやめて、仲良くすることが大事だ。」と山猿大将に向かって語らせたのは、原作が戦争を助長したと言われた事に対する制作者の痛烈な皮肉だったような気がする。
人気はそれほど高くなく、短命に終わったが、原作者が描きたかった、地位も金も身よりもない、のらくろが軍隊という閉鎖された世界で、不器用だがまっすぐに生きていく。という精神を描くことには成功しており、もっと高く評価しても良いのではないかと思う。ビデオやDVDの発売を望みたい。
(文:ソーハイさん)
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