カセット&ガセット いっしょに寝たけど何もしなかった
作詞・作曲 田辺マモル
田辺マモル

 

 思い返すに、いっしょに寝たけど何もしなかったことは、多分僕はなかったと思う(笑)
 エバって云うことじゃないけど、いっしょに寝たらまず何かする。
 何かしちゃったらマズイかな… というシチュエーションとか立場とか、そんなんで躊躇ったことはあるけど、結局いっしょに寝たら何かするのだ。流れでいっしょに寝ることになり、躊躇いつつも何かし終わった後、手をつなぎながら女の子の方から「このまま何もなかったらどうしようかと思った」なんて云われたりするところを見ると、やっぱり何かしてよかったのだ。

 しかしこの歌の主人公は、いっしょに寝たけどなにもしなかった。
 田辺マモルの他の歌に「むかしふたりで ベッドにもぐって そのくせなんにも しなかったことは いつまでも僕の青春の後悔だけど」というのがあるので、ホントに何もしなかったのだろう。しかも後悔してる(笑)
 けれど「いっしょに寝たけど何もしなかった」人と「いっしょに寝たら何かする」人との微妙でしかも格段の違いが、田辺マモルの歌の魅力であることは間違いない。

 シンガー・ソングライターには、ラブソングを書く人と書かない人の二通りがある。
 ラブソングを書かない人のラブソングは、正直とてもつまらない。それはきっとその人の“恋愛”の感受性みたいなものによる、謂わば体質のようなものだからその人のせいじゃない。
 逆にラブソングを書く人のラブソングは、いきなり躯を突き抜け、心臓の裏側にまで突き刺さり、引き抜こうとするにはあまりに切なくて切なくてたまらない。

 『いっしょに寝たけど何もしなかった』は、とびきりのラブソングだ。
 田辺マモルは、間違いなくいい歌を書く。
 すべからくいい詞といいメロディを書く。
 そしてこの人の歌を聴いていると、片想いだろうと、両想いだろうと、報われようと、報われまいと、楽しかろうと、苦しかろうと、濃かろうと、儚かろうと、清々しかろうと、暑苦しかろうと、恋をしている時間というのはいいなと思えてくる。恋の何たるかを考えてしまう。

 


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