It Might As Well Be Swing It Might As Well Be Swing

Sinatra-Basie-Jones

 

 僕が物心ついた頃は、シナトラはもうあんな(爆)だったので、中学の時に観た古い映画『地上より永遠に』でこれがシナトラだよと教えられた時には、とてもじゃないが信じられなかった(笑)。

 で、このカラフルでとっても遊んでいるジャケットのシナトラも若い。こういう楽しげなジャケットで、中身が楽しくなかったためしはないのだが、このアルバムも期待通り、とっても楽しい。

 自分が楽しいことと、他人が楽しいことは、しばしかみ合わなかったりするもので、自分が楽しくって、他人までが楽しくなってしまう… なんてことは、そう滅多にあるもんじゃない。
 特にジャズに多いのが、演奏している本人たちは楽しいかもしれないが、聴いてるこっちはちっとも面白くない… といセッション。「それがジャズなんだよ」と云う人もいるけど、私ゃそれほど辛抱強くない。
 ところがここでのシナトラは、オープニングの『FLY ME TO THE MOON』から掛け値なしに楽しそうで、それが聴いているこっちまで楽しくさせてくれる。手垢の付きすぎた感のある曲(とは云ってもこの録音当時は注目されはじめた頃らしいが)が、こんなにも新鮮に聴こえるものか。

 シナトラのこの粋なボーカルを支えている(煽っている?(笑))のは、スイングジャズ界の名ビッグバンド、カウント・ベイシー楽団、そしてアレンジがスーパー・プロデューサー、クインシー・ジョーンズ。
 クインシー・ジョーンズも、『愛のコリーダ』やマイケル・ジャクソンのプロデュースでしか知らなかった(しかもそれは僕のシュミではなかった)んで、この粋さにその先入観は吹っ飛んだ(笑)。
 シナトラ=ベイシー=クインシーの取り合わせは本アルバムが最初ではないようで、62年にも『SINATRE & BASIE』というアルバムを録音している。が、そっちはシンプルというか、意外に地味というか。

 そう、このアルバムは“ゴージャス”な雰囲気がまんてんなんだな。
 それは勿論エンターテイメントとしてのお客に対する「演出」なんだけど、その「演出」が歌手をのせ、プレイヤーをのせ、みんなを幸せにしている。
私を月につれてって お星様の間で遊ばせて
木星や火星の春がどんなだかを見せて
言い換えれば、手をつないでってこと
言い換えれば、ダーリン、キスしてってこと

歌でハートを満たして もっと永遠に私に歌わせて
あなたは私が敬い、憧れていたものすべて
言い換えれば、誠実でいてねってこと
言い換えれば、愛してるってこと

〜『FLY ME TO THE MOON』
 この破裂しそうに愛おしい歌詞が、陽気で、そして繊細なボーカルで歌われているからたまらない。

 


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