Dixie Chicken Dixie Chicken
Little Feat

 

 クルマのFMで『dixie chicken』を耳にして、久々にリトル・フィートのアルバムを引っ張り出した。そうか、このアルバムはCDで買い直してなかったんだ。。。

 イーグルス、ドゥービー・ブラザーズ、スティーリー・ダン、そしてリトル・フィートは70年代を代表するウエストコースト・ロックバンドと呼ばれていたんだけど、このリトル・フィートだけやけに土臭かった。
 だけど僕はイーグルスよりもドゥービーよりも、リトル・フィートに惹かれていた。“土臭さ”が嫌で受け付けない… と云った正直な友人もいた。でも僕はその“土臭さ”にやられた。
 だって、アルバム『Dixie Chicken』('73)を聴いて、一発でハマってしまったんだもん。
 これはもう好きか嫌いかしかない。「ロック・ファン必聴」などと呼ばれて、わかったフリで聴いている連中も多かったけど、無理することはない。実際彼らは売れなかったわけで。

 リトル・フィートは、フランク・ザッパ率いるマザーズ・オブ・インベンションの一員だったギタリストのローウェル・ジョージと、べーシストのロイ・エストラダを中心に1969年にロサンゼルスで結成。翌70年にアルバム『Little Feat』をリリースしてレコード・デビュー。
 ブルース、カントリー等のトラディショナルな音楽様式をベースに、ニューロック的なアプローチを持たせ、ローウェル・ジョージの個性的なボーカルとスライド・ギターで、独自の世界を創りあげていたリトル・フィートは、セカンド・アルバム『Sailin' Shoes』('72)で更にそのサウンドを固めた。
 そしてロイ・エストラダが脱退。代わって加入したケニー・グラッドニー(ベース)、そしてサム・クレイトン(パーカッション)、ポール・バレル(ギター)の3名の加入で、リトル・フィートは転機を迎える。
 ケニー・グラッドニーとサム・クレイトンがニュー・オーリンズ出身だったこと、ポール・バレールがニュー・オーリンズの音楽のマニアだったこと、ローウェル・ジョージがニュー・オーリンズのファンク・ミュージックの総帥的存在であるアラン・トゥーサンに傾倒したことが相まって、ニュー・オーリンズ・ファンクな『Dixie Chicken』が産み出された。リッチー・ヘイワードのドラミングも、ここで大きく変貌を見せている。

 とにかくオープニングのタイトル曲『dixie chicken』がすごい。
 体が自然に動いてしまいそうなディープなうねりをもったベースとドラム。そしてあのコミカルなピアノ。このサザン・ロック独特のシンコペーションに裏打ちされた不可思議なグルーブは、病みつきになる。これがニュー・オーリンズ・ファンクかぁ… と、当時の僕はこのカッコ良さにクラクラしたものだ。

 が、ニュー・オーリンズ・ファンク色が前面に出てる印象のあるこのアルバム、実はニュー・オーリンズ的狂騒を持っているのは『dixie chicken』『two trains』『fat man in the buthtub』くらいで、他の曲はやたらシブかったりする。人生のわび・さびというか、苦しさ・つらさというか、ちょっとネガティブ。
 でも、脳天気な『dixie chicken』や『fat man in the buthtub』の陰にある、『roll um easy』『juliette』といった地味なネガティブさこそがこのアルバムの本質で、「深刻な悩みを抱えている人ほど、軽い遊び人に見せたがる」を地でいってるような気がしないでもない。
 そしてローウェル・ジョージのそんな部分に身につまされた愛着を覚え、アーシーで飄々としたこのアルバムを僕は手放せなくなる。『lafayette railroad』の華麗なスライド・ギター・プレイもたまらない。

 アナログ盤でしか所有していないが、そんなわけでこのアルバムは、いつまでもアナログで聴いていたいとも思う。

 


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