さらば愛の日々 さらば愛の日々
作詞:阿久悠 作曲:森田公一

森田健作

 

泣けよ 涙は熱いさ
胸のすきまに流せよ
恋のためならば それでもいいさ
あしたのおまえが楽しみだから
 ドラマ《青春をつっ走れ!》の主題歌『若い涙はみな熱い』は、バンカラな詞に3拍子のメロディ。ひとつ間違えば軍歌や大学応援歌のようになりそうなところを、ロマンティックなトランペットのイントロと涼しげなボーカルのエコーがソフィスケイトさせ、美しい“青春賛歌”(古っ!)に仕上がっている。
 この3拍子がほんとグッとくるんだってば(笑)。

 僕は小学生の一時期、森田健作にハマリまくっていた。勿論、《おれは男だ!》《おこれ男だ!》等のTVドラマの影響だ。
 《明星》に付いてくるポスターやピンナップも部屋に貼った。サインも模写した(爆)。グリコのアーモンド・チョコレートで応募した「歌うマジック・ミラー」も当たった。声の出る《ウィスパーカード》も買った。そして中学では剣道部に入った。

 ドラマに感化されたのか、森田健作というスターをアイドル視していたのか(或いは両方か)は憶えてなく、今となっては探りようも測りようもない。が、モリケンの潔癖なまでのまなざしと歌に魅かれ、レコードをそれこそ擦り切れる程聴いていた。いまでもそれらの歌は、諳で歌える。
 だから、果たして森田健作の歌が良い歌なのかどうか、客観的な判断は僕には無理だ。現在でも3年に1度くらいの割合で掛ける森田健作のベストCDを聴くにつけ、単純に「モリケンはいま聴いてもいいナ〜」と思ってしまう(笑)。 <いいと思うならもっと聴けって?
あのころなにげなく見つめ合っていたけど
恋だと気づかずに友だちでいたよ
この広い空の下で二人めぐり逢えてよかった
初恋色の季節の中で
君にあげよう ひと粒の涙
青春のバラード〜ひとつぶの涙』('73)
 件の「歌うマジック・ミラー」に入っていたのは、この最後の「君にあげよう〜 ひと粒の涙〜♪」だった(笑)。ひと粒の青春… グリコ・アーモンド・チョコレート。
 電池がなくなってくると相撲取りのような声になり、新しい電池に替えるとトッポ・ジージョになってしまうところが、この玩具の泣き処だった。

 似ているわけではないが、この人の歌唱法は坂本九のそれと一緒だ。九ちゃんほど「ハヒフヘホ」は強調されていないが、あのチリメン・ビブラートは九ちゃんを手本にしているっぽい。
君の胸の奥は いつも熱い嵐
何をしても苦しい 切ないこの毎日
友達よ泣くんじゃない』('73)
 これはキーの都合か何かで、テープ速度を落としてレコーディングしたのかなぁ…? やたらボーカルの声質が高い!

 本当は僕は、“友情”とか“青春”とかって単語を嫌悪していたんだよ、30代半ばまで。使いたくもないし、絶対に口にしたくない。拓郎の「あ〜、それが青春♪」ですら、抵抗があった(笑)。
 なのに何故“青春”の代名詞のような森田健作は許せたのか…?
遠い旅へ出掛ける時には
君にだけは手紙を残そう
青春の旅』('73)
 この歌は好きだったな〜。「君はいまなにしてる? おやすみって空に向かって言ったけど、君に届いたかな…」って台詞が間奏に入るんだけど、これが全然クサクないんだ。オレがやるとクサイけど(笑)。
 きっとそうしたクサイとかクサクないとかの次元を越えたところに(或いは象徴として)、森田健作は位 置していたんじゃないだろうか。

 その他にも「今日の悲しみ 明日の生きがい それはお前にも やがてわかるだろ♪」の『涙によろしく』(ドラマ『あしたに駈けろ!』主題歌)、「両手伸ばしまだ届かない 青春の遠い空に 道はきっと続いているよ 信じ合う心あれば♪」と歌う『両手いっぱいの明日』や、「耳をすましてごらん♪」の『涙のあとから微笑みが』、イラストレーターの和田誠さんが「“上海帰りのリル”みたいな“東京ハーツ”だと思っていた」と云っていた『東京発』等々、好きな歌はホント多い。

 中でも、中でも僕のいちばんの愛唱歌は『さらば愛の日々』('73)。日テレのドラマ『おこれ!男だ』の主題歌。同ドラマのもうひとつの主題歌『青春に悔いはないか』(これもイイ歌だ〜)と共に、鈴木邦彦ではなく、森田公一の作曲。
さらば愛の日々よ 時は流れて
みんな遠い過去になってしまった
長い影をひいて歩く砂浜
いまはただひとり
君はいない
 う〜ん、、、不朽の名曲だね(笑)。今夜も風呂で歌お♪

 つまりそういうことなんだ… と僕は大人になってから気付いた。

 


+--prev---index---next--+

 

Copyright2002 Nyanchoo

DO,DE,DA