THE HIT PARADE THE HIT PARADE

PUFFY

 

 今回はカバー・アルバムを2枚。
 カバー・アルバムを嫌う人は結構いる。やはりオリジナルの印象を引きずってしまうからか。
 個人的見解を述べれば、オリジナルを越えるカバーなんてあり得ないと思っている。オリジナルが良いからこそカバーしたい気持ちが起きるわけで、そうした思い入れが強ければ強いほどオリジナルの持ち味は凌ぐのに難しい。
 でも僕はカバーは好きだ。

 自分で音楽をやっている人はわかる筈。
 音楽が好きだから音楽をやっているのであって、自分の大好きな曲(或いはアーティスト)をカバーしたいというのは自然な欲求で、これ程楽しい作業はない。
 そうした意味でカバーには、選曲にそのアーティストの趣味が如実に顕れるし、演奏にその想いの熱さが顕れる。それだけで、聴く者の胸をうつ。それでもなお「オリジナルにかないっこないじゃん」なんて云うのは野暮というもの。

 1,2年前につんく♂がビートルズをカバーしたアルバムを聴いたが、それはカバーではなくコピーだった。完コピ。その行為を僕は非難しない。大好きだからやってみたい完コピ。大好きなビートルズを、耳馴染んだ同じ演奏で自分が歌う。こんなに気持ちイイことはないだろう。そしてそれをやってのけることが許されるつんく♂のポジションを、心底羨ましく思える。

 カバーはカラオケじゃない。想いだ。

The Golden Oldies さて、まず福山雅治の『The Golden Oldies』。
 TVプログラム『福山エンヂニヤリング』の1コーナー“Factory Live”で演奏された福山がこよなく愛する邦楽のナンバーを中心に構成されたカバー集。
 選曲がふるってる。『青春の影』『ファイト!』『雨のバス』『プカプカ』『ケンとメリー 〜愛と風のように〜』『勝手にしやがれ』『浅草キッド』『タイムマシンにおねがい』『そして僕は途方に暮れる』… 僕も好んで歌うナンバーが並ぶ。嫌いな歌は『ルビーの指環 』くらいなものか。
 サンハウスの『ロックンロールの真最中』、遠藤賢司の『おでこにキッス』なんて、意表を突いたナンバーも。それならチャボの『ティーンエイジャー』も入れて欲しかった(笑)。

 このラインナップを見ただけで、福山と自分とが、カッコよさだけじゃなく、音楽の趣味まで似ていることが窺える(をいっ!)。
 そう云えば、彼がプロになるオーディションで歌った歌が、泉谷の『春夏秋冬』だったという話も聞いたことがある。

 ただ残念なことに、演奏(アレンジ)がオーソドックスでつまらない。何の冒険も、捻りもない。歌は上手いが、それこそ福山のカラオケを聴かされているような気がしてしまう。
 同じカバーでも、『お嫁においで』なら槇原敬之の方が、『ケンとメリー』なら花田裕之の方が、『ファイト! 』なら吉田拓郎の方が良かった。

 そういう意味では、PUFFYのカバー集『THE HIT PARADE』は、聴いているこっちもかなり楽しめる(笑)。
 こちらも嬉しい選曲で、シングル・カットされた『ハリケーン』をはじめ、『IMAGE DOWN』『愛が止まらない』『ハイティーン・ブギ』『哀愁でいと』『青い涙』『人にやさしく』… といった、80年代のお馴染みの曲が並ぶ。
 年代で分けると、50〜90年代の中で、80年代の音楽が一番ツマラナイと思っている僕だけど、こうして聴いてみると捨てたもンでもないなと思えてくる。

 決して歌が上手いわけじゃない。けれど『ハリケーン』や『カッコマン・ブギ』は、驚くほどPUFFYにフィットしている。『ハイティーン・ブギ』に至っては、マッチのものよりかなりいい。
 『チェリー』はスピッツに対する社交辞令みたいな感じで入れたのかと一瞬思ったが、繰り返し聴いているうちにこのPUFFYのカバーも大好きになった。

 ディランが『セルフポートレイト』で息を抜いたように、カバーも力まずに楽しんだものの方が、聴いていて楽なのかもしれない。

 


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