Groovin' GROOVIN'

The Young Rascals

 

 日本人が歌う“英語の歌”って、ヒアリングしやすいよね(笑)。
 オリジナルを聴いていて、何を歌ってるのかさっぱり判らなかったものが、日本のアーティストのカバー・バージョンを聴くことで届いたりする。とっつきやすいっていうか。

 それとは同じに語れないかもしれないけど、R&Bなんかも僕は最初、白人が演奏するものの方が馴染みやすかった。黒人のものはあまりにも濃くて、ちょっと敬遠しがちだった。ブルース・ギターも、最初はクラプトンから入ったし。

 MISIAだとか宇多田だとか、昨今、黒っぽい日本のアーティストが支持されるってのも、同じような欲求からじゃないのかな… などとも思ってしまう。とっつきのいいソウル・フィーリング。

 てなワケで中学の頃、僕は“ブルー・アイド・ソウル”と呼ばれる、白人によるソウル・ミュージックを好んで聴いていた。その筆頭がヤング・ラスカルズ。
 と云っても、その時既にグループは解散しちゃってたんだけど。

 アルバム『GROOVIN'』('67)。
 声が良かった。あと、所謂“ソウルフル”な節回しが、まだそれ程多くの音楽に出会っていない耳に、無理なく響いた。他のラスカルズのアルバムと比べてもキャッチーなメロディが耳当たり良くて。
 いまなら、「黒人っぽい要素と、彼らの持つ洗練されたポップス感覚のバランスが絶妙で、これだけのグルーヴを出せる…」なんて聞いた風なこと云ったりしちゃうけど(笑)、当時はわけもわからず「恰好イイ!」と思った(もう、わけもわからず魅かれる音楽なんて、ホントに最近は見当たらなくなっちゃった)。

 な〜んて書き方をしちゃうと、まるでヤング・ラスカルズが“ソウル・ミュージックの入門編”みたいに聞こえるかもしれないけど、決してそんなことはなく、フェリックスとエディのボーカルは、黒人の間でもえらく評判が良かったそうで。デビューも、黒人音楽主体のアトランティック・レーベルから(白人としては初めて)というのも興味深い。

 ヤング・ラスカルズは66年に2枚目のシングル『GOOD LOVIN'』で全米1位に。続けて『GROOVIN'』が2度目のナンバー・ワン・ヒット、『高鳴る心(HOW CAN I BE SURE)』が4位、『A GIRL LIKE YOU』が10位、『A BEAUTIFUL MORNING』3位、『PEOPLE GOT TO BE FREE』に至っては、5週連続1位というトップ・テン・ヒットを輩出。

 バンド名も68年からは、“ヤング”を取って「ラスカルズ」と改名。
 デビュー時、ラスカルズというバンドが他にあった為「ヤング・ラスカルズ」と名乗ったのが、ヤング・ラスカルズがメジャーになり、同名のラスカルズもいつの間にかいなくなったのを契機に“ヤング”をはずした… なんて話を、昔の音楽雑誌で読んだ記憶がある。

 で、この夏の休暇中、僕はずっとこの『GROOVIN'』を聴いていた。
 山下達郎がラジオ番組のテーマでカバーして、いまではそっちの方が耳に付いた感のあるタイトル曲『GOOD LOVIN'』。このけだるいシンプルさはたまらない。
 他にもバックにアコーディオンを配したワルツ『高鳴る心』(矢野顕子のカバーも素晴らしかった)といった有名曲をはじめ、『A GIRL LIKE YOU』『FIND SOMEBODY』『IT'S LOVE』…、充実した曲のクォリティに、やっぱりこのアルバムはいいなぁとしみじみしてしまう。

 また、寸分の狂いのないピシッとした最近の音楽に慣れてしまった耳には、こうした生きたバンドの音が、たまらなくいとおしいものに聴こえる。このアルバムを聴くとリラックスすると云う人がいるけど、僕は逆に心躍るというか、血が騒ぐというか(笑)
 音楽の面白味っていうのは、こういうところにあるんだなと、当たり前のことなのに再確認。
 素敵なアルバム。

 


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