K.448 2台のピアノのためのソナタ ニ長調 (K.448)

W.A.MOZART

 

 1781年11月、ウィーンで完成した、モーツァルトが唯一書き残した2台ピアノ用のソナタ。
 初演は11月23日、弟子のヨゼファ・アウエルンハンマー嬢と、彼女の家で開かれた演奏会。どちらが第1ピアノを弾いたのか記録は残っていないが、アウエルンハンマー嬢が担当したと考えるのが妥当か。好評を博し、1784年6月には弟子のプロイヤー嬢と演奏している。

 この『2台のピアノのためのソナタ ニ長調』、昨今は“頭の良くなるモーツァルト”として知られる。
 『音楽と脳の関係』についての研究で知られる、米カリフォルニア大学アーバイン校のゴードン・ショー博士が『何時も心にモーツァルト』を出版。1993年、「モーツァルトの音楽を聴くと、記憶力が向上するという実験結果 が出た」と発表。
 その時研究材料に使われたのがこの『2台のピアノのためのソナタ ニ長調』だった… というだけで、直接この曲云々ということではないのだが、いつの間にか『2台のピアノのためのソナタ ニ長調』イコール“頭の良くなるモーツァルト”になってしまっている。

 して、実際その効果はどうか !?
 僕はモーツァルトのピアノ曲の中でもとりわけ『2台のピアノのためのソナタ ニ長調』を愛聴しているのに、それらしき気配が表れていないことはご承知の通 り(T▽T)

 遡ること2年の1779年に、『2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調(K.365)』をモーツァルトは書いている。
 この時代、バロックに活躍していたチェンバロからピアノ(或いはクラヴィーア)に変わる過渡期だった。というわけでそれまで書いていた協奏曲はすべてチェンバロを想定してのものだったが、この頃からモーツァルトはピアノのために協奏曲を書いている。そしてこの『2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調』は、姉ナンネルのために作曲したと云われている。
 オーケストラ・パートのファゴットが、華々しい雰囲気の中に、今で云うところの“癒し”を与えている。

 個人的な趣味の話になってしまうが、K.448にしろK.365、はたまたK.242にしろ、こうした長調曲がポップで僕は好きだ。軽やかで上品で、そして躍動する喜びが隅々にまで行き渡っている。
 これを聴いてアタマが良くなるかどうかは別にして、行き詰まることなくリアルタイムで書かれたような天才ならではの旋律に、脳だけでなく躯全体の静かな高揚を得られることは確かだ。

 


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