CONCERTRICK CONCERTRICK

荒木一郎

 

One Night Stand 迂闊だった。
 こんなアルバムが出ていたんだね。『ICHIRO ARAKI BEST FRIEND & BEST COLLECTION -One Night Stand-』。

 昨年だったか一昨年だったか《徹子の部屋》で荒木一郎を観かけた時、実業が忙しくてもう音楽活動はやめた… みたいな発言をしていて、とっても残念に思ってた(な〜んか太っちゃってたしね)んだけど、17年ぶりだって!

 17年ぶりと云ってもこのアルバム、殆どがゲストのカバーによる演奏で、本人がフルで歌っているのは唯一の新曲『Good night my friends』のみ。
 でもね、清志郎の『今夜は踊ろう』をはじめ、宇崎竜童の『君に捧げるほろ苦いブルース』、森山良子の『空に星があるように』、原田芳雄の『ミッドナイトブルース』、クレイジーケンバンドの『いとしのマックス』と、聴きどころ満載!(上田正樹がちょっと…だけど(笑))。

 これら若かりし頃の荒木一郎のナンバーに、円熟した天才の迷いのない貴さすら感じる新曲が妙に相応しくて、買い逃せられない仕上がりになっています(たくさんプレスしていないので、既に入手困難とのウサワも)。

 で本題の『CONCERTRICK』。
 これは81年にリリースされたアルバムで、A面がライブ、B面がスタジオものと、何とも中途半端な構成(笑)。
 でもこのアルバムがなかなかイイんだわ。

 80年7月の六本木MAKI ART THEATERでのコンサート『荒木一郎AT六本木』を収録したA面 は、『君に捧げるほろ苦いブルース』で始まり、その少し前に日本テレビで放映されていた桃井かおりのドラマ《ちょっとだけマイウェイ》の主題歌でパルが歌った『夜明けのマイウェイ』、あおい輝彦の『ジャニスを聴きながら』、そして代表曲『空に星があるように』と、ベスト的選曲。
 中では『ビッグ・ボーイの子守唄』がちょっと泣かせる。『ジャニスを聴きながら』も好き。
 それにMCが聞けるのもライブ盤ならではの魅力。荒木一郎はこの他にライブ盤は出してないんじゃなかったかな?

 B面もなかなかのラインナップ(というか、寡作な方なので、発表される曲に無駄がないよね〜)で、村野武範のドラマ《青春の甘き香り》の主題歌『俺の呼び名はロンリー・ボーイ』のB面 だった『まわり舞台の上で』、NHK-FM・桃井かおりの《若いこだま》のテーマソング『昔のことなんか』、アニメ《あしたのジョー2》の主題歌『ミッドナイトブルース』、やはり《ちょっとだけマイウェイ》の挿入歌だった『灯りを消して』、ドラマ《ムー》で音楽を担当した際、岸本加世子の1stアルバムに収められた『悲しみ色のクレパス』と、企画ありきの歌が多い。

 《あしたのジョー》が好きな僕だけど、『ミッドナイトブルース』はちょっと気取りすぎな感じがしてヤだった。ヤだったんだけど、ある真夜中、高速をぶっ飛ばしていた時にカー・ラジオからこの歌が流れてきた時、鳥肌が立つくらいカッコよくてね〜。いっぺんに好きになって、いまでも時々ギターでぽろぽろやってる。
 結局《あしたのジョー2》は、出崎統がいけないんだな(笑)。垢抜けさせ方が田舎クサイというか、東京の匂いを勘違いしている。

 『Enjoy Your Kitchen』はなんかCMソングみたいな面持ちなんだけど、何かのタイアップだったのかな…。

 それと『灯りを消して』がすっごくイイ。これは隠れた名曲(隠れてない?)だね〜。とってもロマンティック。

 そう、荒木一郎の歌はどれもロマンティック。
 『空に星があるように』はもちろん、『今夜は踊ろう』も『いとしのマックス』も『ジャニスを聴きながら』も『ミッドナイトブルース』も、男のロマンティシズムが滲んでいる。

 このところオリジナル・アルバムも続々とCDで復刻されているようで嬉しい限りだけれど、もっともっと新しい歌も聴いてみたい、数少ないアーティストです。

 


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