家へ帰ろう 家へ帰ろう
作詞・作曲 吉田拓郎

吉田拓郎

 

 年齢を重ねる度に、忘れてしまいたいことが増えていく。勿論、忘れたくないこともいっぱいある。でも、幸福の数で不幸が消えるわけじゃない。嬉しい出来事が過ちを消してくれるわけじゃない。幸福と不幸、それは中和することなく、ずっと別 々に存在している。楽しいことだけを考えていても、何かの拍子に過去の不幸を思い出し、逃げ出したい気持ちになる。
怒れる時あらば
その怒りをいずこへ向けるだろう
悩める時あらば
その悩みをいずこへ向けるだろう
喜ぶ時あらば
その喜びいずこへ向けるだろう
悲しむ時あらば
その悲しみいずこへ向けるだろう

My family my family
ひとつになれないお互いの
My family my family
愛を残して 旅に出ろ
 拓郎はかつて『ファミリー』という歌で、“家族”についての2つの命題を示して見せた。それは決して家族を否定するものではなく、それでも家族から離れ“闘いに行く男”の歌だった。

 あれから20年。

 いま拓郎は『家(うち)へ帰ろう』と唄う。
やさしい心 今日も変わる事はなく
愛する気持ち あふれるばかりあって
本当に好きだったものがある
受けとめる事のできないものもある
家へ帰ろう 家へ帰ろう
この道をまっすぐ 家へ帰ろう
家へ帰ろう 家へ帰ろう
 僕はまだ“闘い”の途中にいて、そう、まだ人生を語るには早過ぎるのだけれど、この歌に無性に泣かされる。
あとどれ位 幸福が必要なの
不幸な話 いくつかさねればいい
理由なく 涙出てきそうだから
知らぬ間に こぶし握っているから
 やさしかった人がいた。あたたかかった人がいた。本当に好きだった人がいた。
 時には誰かに脅かされ、裏切られ、今日までそして明日からをずっと繰り返してきた。

 でも怒れる時、悩める時、喜ぶ時、悲しむ時… 浮かぶのは誰だろう。。。
逢いたい人の 笑顔が呼びかけてくる
思い出達が とまる事なく浮かぶ
今 僕は 何をがまんしてるんだろう
誰のため 心乱してるんだろう
 僕は、何を我慢してるんだろう…。

 おおよそこの時代に発売する新譜とは思えない、淡々としたメロディとリズムの刻みが、張り詰めた神経をそっとほぐしてくれるよう。
 こんなに心に浸み入る歌は、久しぶりだ。
家へ帰ろう 家へ帰ろう
この道をまっすぐ 家へ帰ろう
家へ帰ろう 家へ帰ろう

 


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