遠い旅路 ナビゲイター
作詞・作曲 松任谷由実

松任谷由実

 

 今回発売になったユーミンのバラードばかりを集めたオムニバス・アルバムの曲目を見ていたら、懐かしい歌を見つけた。『ナビゲイター』。

 高校生の時だったかな。結婚して名義が“荒井”から“松任谷”に変わっての第一弾シングル『潮風にちぎれて』('77)って失恋の歌が出て。いま聴くと、随分狙ってるなぁ〜と思える歌だけど、当時なんか気に入ってレコードを買ったな。
 その頃はお小遣いにも限りがあったから、アルバムを買えるのはホント厳選に厳選を重ねた末のアーティストで(笑)、当時僕はユーミンのアルバムは1枚も持ってなかった。『ミスリム』('74)なんてとっても好きだったけど、FMからエアチェックしたカセットテープで間に合わせていた。

 『潮風に―』の前、中学生の時、『やさしさに包まれたなら』('74)のシングルも買ってた。不二家のCMで使ってたからだな、多分(笑)。
 このシングルは、ジブリの『魔女の宅急便』に使われたアルバムのバージョンとは違って、ピアノが主体になってる。
 “荒井由実”の頃の作品は、どれも研ぎ澄まされてるよね。キャラメル・ママの音も、永遠に古くなることがない。

 そうしてシングルだけを買っていたユーミンの(笑)、次に買ったのが『遠い旅路』('77)。
 この曲がまた重たいんだ(爆)。歌詞の「血を吐くくらい〜♪」とかね。メロディもとんでもなく暗い。
 そんなこともあってか、彗星の如く現れ、ずっと人気を保ってるように見えるユーミンの、唯一セールス的には芳しくなかった時期になるんじゃないかな、アルバムも含めて。

 で、何でまたこんな暗ったい歌のシングルを買ったかというと、B面が良かったの(笑)。それが『ナビゲイター』。

 日本テレビの『太陽にほえろ!』だったと記憶してるんだけど、提供がオーディオ・メーカーのダイヤトーン(三菱電機)で、確かそのCMでこの曲を使ってた。ユーミン本人も出ててね。
 ユーミンが広い空と大地をバックに、サルだかゴリラだかの真似をするんだよ、すべてをかなぐり捨てたみたいな(笑)。その後ろで流れる『ナビゲイター』が、淡々としたリズムに、それまでの日本のニューミュージック(その時はまだそんな呼ばれ方はしてなかったかな?)では聴いたことのないようなコードが乗っかってて、前置きなく「いい歌だぁ〜」って思った。CMも良かった。

 詞がね、オトコもオンナも陶酔しちゃってて(爆)、いま読むとこっ恥ずかしい箇所がないわけじゃないんだけど、そういう“彼女とのドライブ”ってシチュエーションに単純に憧れた。まだ、運転免許も無い頃だからね。
 その前に『中央フリーウェイ』って歌もあったけど、このあたり松任谷正隆との恋愛時代を歌ってるのかな? …なんて勝手に想像したりしちゃって。

 それから実際免許も取って、クルマも買って、彼女としょっちゅうドライブをしていた頃、多分この歌のイメージに支配されていたと思う、僕は。ははは。
 スピード感のある歌も勿論ドライブ向きなんだけど、こういうテンポの曲も、クルマの中という二人だけの個室を演出するのにとてもフィットしてる。

 この『やさしさに包まれたなら』『潮風にちぎれて』『遠い旅路』はアルバム未収録で、オリジナル・アルバムでユーミンを揃えてると、こぼれちゃうんだよね〜。CDの時代になってからも、オムニバスでしか見掛けないし。

 “ナビゲイター”って言葉の意味も、この歌で時知った(笑)

 


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