原田真二 てぃーんず ぶるーす
作詞・松本隆 作曲・原田真二

原田真二

 

 僕が高校1年生の3学期。原田真二がデビューして、2枚目のシングル『キャンディー』が出た頃には、クラスの女の子の間ではそーとーな人気があったなぁ。下敷きにピンナップを入れてるコも多かった。だから男の自分が「原田真二ってイイよな」なんて、とても云える雰囲気じゃなかった(笑)。
 実はファースト・アルバム『フィール・ハッピー』も持っているけど、あのジャケ写 も含めて、買うのに大汗の出るような勇気が要た(笑)。

 当時、《フォーライフマガジン》って雑誌をずっと購読していたから、原田真二って可愛い顔した男の子が、シングル3枚連続リリースでフォーライフからデビューするってことは知っていた。でもその前が川村ゆうこや小林倫博なんかだったでしょ。だから原田真二の『てぃーんず ぶるーす』を聴いた時はショックだった。新鮮だった。とてつもないヤツが出てきたなって。

 でも郷ひろみや太川陽介と同じ様な露出で女の子にきゃーきゃー騒がれていた分、正当な評価はされてなかったんじゃないかな。

 その前年、チャーが『気絶するほど悩ましい』を出して、ロックが歌謡曲(アイドル)に歩み寄って行った感がある、その時代。前の世代の、歌謡曲の方からフォークに近付いて行ったのには抵抗はなかったんだけど、その逆はとても日和った感じがしてイヤだったな。そのどさくさでリューベンみたいな奴までシングルを切ってたし(笑)。
 で、チャー、世良公則とツイスト、原田真二、サザンオールスターズと、テレビにも出るロック・アーティストが続々と輩出されて、《ザ・ベストテン》や《夜のヒットスタジオ》なんかでもフツーに観るようになって。《紅白歌合戦》にも出てたよね、確か。《全員集合!》でも観た記憶がある(爆)。

 まあそれぞれ個性もあって、そこはそれ、アイドルと一線を画したものはちゃんとあったけど、メロディー・メーカーとしては原田真二がアタマひとつ抜き出ていたように思う。ポール・マッカートニーとかエルトン・ジョン的アプローチが見えたよね。他のアーティストたちがギターで作曲しているのに対して、原田真二はピアノで作っていたからかな。

 『てぃーんず ぶるーす』の、| DM7 D6 | DM7 D | E6 E | E6 E7 | なんてコード展開は、ギターで作ってる人にはなかなか浮かばないよなぁ。。。って、素直に感心してたな。響きもお洒落で。

 『フィール・ハッピー』を聴いてるとね、結構洋楽のパクリも多いんだよ(笑)。『キャンディ』を聴いてると『ミッシェル』を思い出す… なんてレベルのものじゃなくて、モロ持って来ちゃったみたいな。でもそれが筒美京平的というか、うまいことやってる。
 そんなことも含めて、あのアルバムでの松本隆とのコラボレートは、ある種の金字塔的成果 が上がってると思う。『黙示録』なんて良い歌だったな。

 あ、あと、ピアノで演奏しながらも、Tレックスみたいなのも好きだったと思うな。そんなエッセンスがそこはかとなく詰まってる、原田真二のサウンドの発想には。
 そのず〜っと後に出た『見つめてCarry On』なんて、プリンスの曲そのままでぶったまげた。ここまでやるかよ。でもいいところを持ってくるよな〜って。

 自分の才能と、売り込み方のギャップに悩んだのかな、フォーライフを離れて。それからの原田真二は、全然パッとしなかった。相変わらず良い歌は作っていたんだけどね。決して良い歌が売れるわけではないという日本の音楽事情の中で、原田真二は沈んで行った。そのあたり、サザンと対照的。世良公則の消え方とも違うし、職人芸を極めていったチャーとも違う。

 何年か前にランドマーク・プラザで、偶然原田真二のパフォーマンスを観た。
 5フロアーぶち抜いた吹き抜けのラウンジみたいな場所で、その日3回のステージをこなしたんだけど、僕はその合間合間の時間を何とか潰しながら、結局魅きつけられるように3ステージとも観てしまった(ヒマだね〜(笑))。
 でも、圧巻だったな。。。

 苦労もしたのか、客のつかみがとっても巧くて。
 往年のヒット曲もまったく色褪せてないし、初めて聴く歌も、すぐに心に響いた。

 これだけ時間が経ってようやっと、「原田真二はイイよ」って人に云えるようになった。ホントにイイんだって。
 そういう意味では、デビュー時のあの人気は彼に何をもたらしたのかな…。悪いことばかりじゃないとも思うけど。

 ちょっと前、松田聖子とどーのこーの書かれてたね。
 もう少しきちんと彼の曲や才能が取り沙汰されればいいのにな。

 


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