KICKOFF 真っ赤な自転車
作詞:秋元康 作曲:高橋研

おニャン子クラブ

 

 RCサクセションがまだフォーク・トリオだった頃の歌に『ぼくの自転車のうしろに乗りなよ』って名曲があって、僕はその歌が大好きで。
ぼくの自転車のうしろに乗りなよ
二人乗りで 二人乗りで遊びに行こうよ
 全部読むと、それだけじゃない詞なんだけどね。
 その後RCは、日本の有名なロックンロール『雨上がりの夜空に』ってのをぶちかまして、清志郎の乗り物は自転車からクルマに替わる。あ、クルマならその前に『スローバラード』もあったか。

 何を云いたいのかというと、清志郎はちゃあんと自分の身の丈で詞を書いているってこと。高校生の頃のラブ・ソングじゃ自転車に乗っていて、そのあとアイテムはクルマに替わる。
 聴く側の辿った道もそれと一緒だから『ぼくの自転車のうしろに乗りなよ』を聴くと、中学や高校の頃の叙景がオーバーラップする。その頃の恋愛の思い出は特別 で、決まって胸がキュンとする。ピュアな想いも一緒にラッピングされているのかもね。

 ゆずの『夏色』は、もろに『ぼくの自転車のうしろに乗りなよ』の世界だよね。「坂を下って国立に行こうか」なんてくだりはぴったり重なる。でもゆずの歌には“毒”が無い分、ストレートに良いことだけを思い出せる(笑)。

 キーワードは自転車だね。
 高田渡の『自転車にのって』もいい歌だけど、子供時代がテーマだからあの“胸キュン”とはちょっと違うし、小坂一也の『青春サイクリング』まで行ってしまうと、もう僕の知らない別 世界になっちゃう(笑)。
 中でも、かなりキュンキュンキュンとくるのが、おニャン子クラブの『真っ赤な自転車』。
海へと続く坂道は
黄昏の運河みたいね
9月が過ぎて少しずつ
早くなった砂時計
 ここでもまた“坂道”だ(笑)。
 自転車と坂道は相性がイイね。漕がなくてもラクチンだからかな?
 で、この「黄昏の運河みたいね」が素晴らしい。デブを誉めるのは悔しいけれど、秋元康は天才だ(だって『川の流れのように』を書きながら『真っ赤な自転車』を書いちゃうんだよ)。
 だけど実はこの部分、レコードを買うまで僕は「黄昏の海が見たいね」って間違えて歌ってた(爆)。だって「黄昏の運河」なんて思いつかないよ、小樽生まれじゃあるまいし。
彼の背中 頬をつけて
ドキドキが聞こえちゃうわ

真っ赤な自転車 二人乗り
真っ赤な自転車 風になる
 ね、ね、思い出すでしょ? あの甘酸っぱい青春の日々を!
 僕がこんなシチュエーションの頃は、ファースト・キスもまだだった(誰も聞いてないって?(笑))。
 彼女の胸が背中にくっつくのを感じて、もう胸がきゅんきゅんきゅんきゅんして、その感触をその晩繰り返し思い出しながら眠ったもンだよ。
 それからね、僕が後ろに乗って、彼女がフラフラ漕ぐのをいいことに、少しも危なくないのに大袈裟に「わぁ!」とか叫んじゃって、どさくさに紛れて背中から抱きついちゃったりね(爆)。あの温かさは忘れられない。
真っ赤な自転車 二人だけ
真っ赤な自転車 急接近
お願い他の女の子は
乗せないでね
恋の指定席
 ん〜、なんて顔が弛んでしまう詞なんだ。いとおしさ満点。

 別にその後、不潔な恋愛ばかりしてきたわけじゃないけど(笑)、こういう恋愛(って云えるのかな?)は、この年代だけの特権だよね〜。

 夏の終わりの歌ベスト1です。

 


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