いつも何度でも いつも何度でも
作詞:覚和歌子 作曲:木村弓

木村弓

 

 いくらジブリの映画が好きだからって、サントラCDを買ったり集めたりする程僕は馬鹿じゃない。雰囲気に負けて何でもかんでもってのはイヤなんだよね。良い・悪い、買う価値がある・ないくらいの判断は、自分の中できっちりさせておきたい。
 CDもヒットした『もののけ姫』のカウンター・テナーなんて、何度聴いても全然わからなかったし、良いとは思わなかった。詞もヤだし、申し分ないサウンドも、申し分ないデキなだけに、面 白味に決定的に欠けていた。魅力がないのだ。
 でも今回初めて、『千と千尋の神隠し』の主題歌、『いつも何度でも』を買ってしまいました。映画もとっても良かった。

 木村弓さんはキャリアのある方のようですが、知りませんでした。ジブリの映画に採用されるにあたっての逸話もあちこちに書かれていますが、興味はありません。
 気になったのは、ライナーにあった“竪琴ライアー”という楽器です。

 調べてみるとそれは“ゲルトナー・ライア”と呼ばれる楽器で、20世紀初頭、ドイツのルドルフ・シュタイナーの運動の中で生まれたものだとか。
 無知な僕などは“竪琴”と聞くとどうしても“中井貴一”を思い出してしまうんだけど(笑)、起源は古代メソポタミア・エジプト文明だそうで、あながち関係なくもないのかな?

 初めての人でも容易に演奏できる使い勝手の良さと、既成の楽器にない音色と響きが魅力の楽器だそうで、成る程良い音がしていますが、いくら簡単に弾けたからと云って、ここに例えば僕のボーカルが乗ったら台無しになってしまうな…(笑)と。そこで木村弓という歌手の声が生きてくるんですね。

 で、歌だけど、まず、詞が良い。
呼んでいる 胸のどこかで
 これだけで、深いところでの慰めの予感を感じます。
繰り返すあやまちの そのたび ひとは
ただ青い空の 青さを知る
 この2行が、その直前の2行の陳腐さを問題なくしてしまう。
 そう、この詞も全体を通すと完璧ではないんです。「その向こうできっと あなたに会える」とか「いつも何度でも 夢を描こう」とか、素人レベルの言い回しが混ざっている。第一、『いつも何度でも』というタイトルの語呂の悪さはどうだろう?
 しかし、そんなことを全く気にさせない光った言葉も紡がれている(作詞の覚和歌子って、ジュリーとかSMAPの歌も書いてる人だよね)。
 そして竪琴と、きれいだけどどこか不安定でちょっとブレスが気になる歌声。このマッチングがぐぐぐいと胸の奥を熱くさせる“何か”を描いています。

 メロディも、当たり障りない… と云っちゃうと身も蓋もないんだけど(笑)、譜面 だけを眺めたらつまらない旋律だよね。彼女の他の作品を聴いたことがないので、突き詰めた言及は避けるけど、久石譲氏の旋律と比べると、よくわかると思う。
 でもその当たり障りのなさが功を奏している。まさに、奏している。

 で、ちょっとジーンとくる。

 


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