GLAD ALL OVER AGAIN Because
Clark

Dave Clark Five

 

 デイブ・クラーク・ファイブで『Because』だなんて、「ビートルズ なら『イエスタデイ』だよ」って云ってるようなもので、シオシオのパァ〜な方もおられましょうが(笑)、久々にラジオで聴いて「やっぱりいいなぁ…」って思ってしまったものはしょうがない。
 また、高齢層(笑)には知名度の高い彼らも、若い人たちに於いては音楽好きな奴らでも「名前すら知らない、かすったこともない」という声もあるのも事実で、何せ現在入手できるCDがごく僅かですからね〜。そのあたりの事情説明も。

 著作物には“権利”というものがありまして、ところが昔のバンドは無頓着と云うか無知と云うか、そんなことにお構いなしでひたすら自分たちの音楽を作ってたんですね〜。ビートルズ然り。
 ふと気が付くと、彼らを取り巻く商売人たちがその著作物の“権利”を握っていたりして、なんと自分たちの曲をライヴで演奏することすらままならない状況にあるグループもあるくらいで。ローリング・ストーンズ然り。

 ところがデイブ・クラーク・ファイブに限って、そうした商売人どもに喰い物にされることなく、なんとリーダーのデイブ・クラークがしっかりと楽曲の権利も原盤権も押さえていた! 先見の明があるというか、商売人ですね〜(笑)。現在はしっかり《デイブ・クラーク・インターナショナル》という会社の社長におさまっています。
 しかしこのデイブ・クラーク社長。自分たちの音楽の再発を善しとせず、アナログ時代から殆ど発売を許可してくれない困り者。オリジナル・アルバムのリィシューなんて、アナログだろうがCDだろうが存在せず、僅かに『ベスト盤』的コンピが出回っているのみ。
 スタンダードとなった『Because』をCM等でたまに耳にするくらいで、あとはすっかり忘れられたバンドになってしまったデイブ・クラーク・ファイブ(涙)。ストーンズやキンクスはいまだ硬派なロックファンから熱い支持を受け、それなりに高い評価も受けているのに、デイブ・クラーク・ファイブときたら過小評価どころか、聴かれる機会すら失くなってしまっている… というのが実状です。

 ただ、デイブ・クラーク・ファイブの不当評価は、CDが出ないということだけが原因ではないですね。やはり代表曲が『Because』だという点がイケナイ。こうした甘ったるいナンバーは、骨太なロック・ファンからは馬鹿にされがちで、どうも分が悪い。

 が、デイブ・クラーク・ファイブのファンは知っている!(笑)。
 あにはからんや、デイブ・クラーク・ファイブはとってもやかましいバンドなんです。

 リーダーのデイブ・クラークがドラマーということもあってか、兎に角ドラムがうるさい。ミックス時にドラムにラウドネスかけているのかもしれない。そこに絡むベースがまた音がもこもこ膨らんでいて、うるさい。
 そして、マイク・スミスのボーカルの強烈なシャウトは、すぐ横にいたら「うるせぇよ、お前!」と云いたくなるくらいうるさい(笑)。
 誤解のないように云っておきますが、その“うるささ”がカッコイイんです。きっちりカッコイイ。

 ビートルズの『抱きしめたい』を抜き全英1位になった『Glad All Over』('64)、2匹目のどじょうの『Bits And Pieces』('64)が全英2位と調子づいたデイブ・クラーク・ファイブは、ビートルズより先に全米ツアーを敢行。
 『カッコいい二人(Can't You See That She's Mine)』('64)『Because』('64)『若さをつかもう(Catch If You Can)』('65)『Over And Over』('65)と、本国イギリスよりアメリカでヒットを稼いでいったデイブ・クラーク・ファイブの“やかましさ”は段々と“ポップさ”に変わり、アイドル・ポップ・バンドみたいなイメージが定着してしまい、ビートルズの最大のライバルなんて云われた彼らも、遂にはアメリカでもヒットを出せなくなっていった。

 そんな経緯もあってか、リアル・タイムでデイブ・クラーク・ファイブを知っているおじさんたちにとっても、いまは単なる“懐メロバンド”的な評価に甘んじている感が強い(涙・涙)。

 でもね、でもね、ちゃんと聴くとイイんだよ、デイブ・クラーク・ファイブ。ホントだよ。
 『Any Way You Want It』なんて掛け値なしにカッコイイ曲で、何度聴いても押して押して押し切られてしまうし、『Concentration Baby』のソウルフルなボーカルには結構シビレる。
 それから『Over And Over』『Everybody Knows』でボーカルをとっているデヴィットソンの声も、このバンドの個性になっている。
 そして『Twist And Showt』を思わせるコントゥアーズのカバー『Do You Love Me』。これがえげつないくらいにうるさくてカッコイイ。ブライアン・プール&トレメロウズも同時期にカバーしちゃって、デイブ・クラーク・ファイブの方は全然売れなかったんだけど、すんばら。

 そして不滅のバラード『Because』。
 「G/G+5/G6/G7/C/D7/D7+5」のコード進行がシンプルで美しい。オルガンのやさしい音に包まれて、あっという間に終わってしまうその短さは、ウイスキーで云えばモルト。何も足さない。何も引かない。完璧な曲です。

 僕は一時期カラオケでこの『Because』ばかりを歌っていた時期があって、正直辟易していたことももあったのですが(爆)、やはり良いものは良い。
 ジュリアン・レノンのスローなテイクも良かったな。

 さて、現在日本で比較的入手しやすいのはベスト盤の『GLAD ALL OVER AGAIN』。これはヒット曲中心。
 それから頑張って探してみる価値があるのがウルトラから出ている『Coast To Coast & American Tour』。『American Tour』と『Coast To Coast』の2枚のアルバムに、シングルのB面 6曲を収録したお買い得盤。他にもウルトラからは『Weekend In London & Having A Wild Weekend 』『I Like It Like That & Try To Hard』の2オン1が出ています。

 


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