ちっちゃな恋人
作詞:なかやま・まり 作曲:井上かつお

ジミー・オスモンド

 

 初めて自分で買ったレコードがこれ。

 それまでも『ジャイアント・ロボ』とか『ドカチン』とか、まんがのソノシートは買って貰ったりしてたんだけど。
 当時ウチにはレコードプレーヤーがなくて、おばあちゃんち(母親の実家)に行かないとそのソノシートも聴くことができなかった。
 おばあちゃんちにはまだ学生だった叔父さんや叔母さんがいて、数十枚のドーナツ盤と電蓄みたいなプレーヤーが揃ってたもんで、それを聴きに行くのが子ども心ながらに楽しみで楽しみで。オトナたちの話を聞いていたってどうせつまらないから、大抵僕は朝から晩までレコードを厭きもせず聴いていた。

 叔父さん叔母さんのドーナツ盤には、舟木一夫や西郷輝彦といった歌謡曲や、ニール・セダカやデル・シャノン、ジーン・ピットニーといった今で云うオールディーズなんかがあって、B面 までも何度もかけていたから、僕はいまでも舟木一夫の『就学旅行』なんて歌を唄えたりする(笑)。

 小学校3年生の時、学習雑誌に投稿した作文が掲載されて、賞品として『いなかっぺ大将』のレコードが送られてきて。嬉しかったぁ〜。なのにウチにはそのレコードをかける装置がない。で、情にほだされたお袋がステレオの卓上プレーヤーみたいなのを買ってくれた。
 持っていたソノシートやレコードを、繰り返し繰り返し聴いたな〜。オールディーズなんかももう聴かないからと、叔母さんから譲り受けて。レコード盤に針を落とすことに、快感すら覚えてた。

 そんな数少ないレコードに飽きたらなくなった僕は意を決し、新しいレコード盤を買うためにお小遣いを貯めた。
 そうして選びに選び抜かれて買ったレコードが、ジミー・オズモンドの『ちっちゃな恋人』400円也。

 何でこのレコードだったんだろう?
 流行っていたことは確か。TVでカメラに向かって人差し指を突き出し「あいつも、あいつも、あいつも、あいつも〜♪」と歌うジミーの姿をいまでも憶えているくらいだから。
 それと、自分と同年代の男の子が唄っていた… ってのも、ポイントだったのかも。だからって『黒ねこのタンゴ』を買おうと思わなかっただけ、幼い頃からナカナカなセンスをしていたワケだ、オレは(爆)。

 この曲のイントロはいま聴いてもとってもキュート。全体のメロディも、背伸びしてなんとか垣間見ようとした“アメリカ”の匂いがする。実はこの歌を作ったのは日本人、井上かつお氏。
  井上氏は森山加代子の『白い蝶のサンバ』や、みんなのうたの『海は生きてる』、それから『裸足のフローネ』なんかを作ってます。

 なかやま・まりさんという方が書いた歌詞は、いま読むととってもマセてる。
ぼくはきみを きみはぼくを
ほんとに好きと 感じていたね
だからぼくは きみのことを
かならずまもってやるからね
 なかなか云えないけどね(笑)。
 2コーラス目のあとのサビの繰り返し「僕はきみ〜の恋人〜♪」のストリングスの絡みも、三つ子の魂百までみたいな自分好みの流麗さ。

 こんな愛くるしいポップ・ソングに魅せられて、その後の僕は際限なくレコードを買い漁るような人生に足を踏み込んでしまったワケで、そんな意味じゃ何ともはやな一枚なんだけど、B面 の『ワタシのペギー(Peg O' My Heart)』もGoodなカルピス。

 


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