SYNCHRONICITY SYNCHRONICITY
POLICE

 

 ポリスはパンク・ブームの中から登場したんだけど、パンク的アバンギャルドなセンスを持ちながらも、ちゃんと音楽を考えていたよね。レゲエやアフリカのリズムなんか果 敢に採り入れたり、演奏もシャープでタイトでスピード感があって。それにベース、ギター、ドラムそれぞれが高度なテクニックに裏付けられた緻密さを持っていて。
 何しろ、アタマの良さそうなバンドだった。

 '78年のデビュー・シングル『ROXANNE』は、売春婦の歌だからって、本国イギリスでは放送禁止、2ndシングル『Can't Stand Loosing You』もテーマが自殺だってんで放送禁止。結構不運なスタートを切ってるんだよね、彼らも。だけど『ROXANNE』はアメリカで火がついて。それからのポリスは、'79年の『孤独のメッセージ(Message In A Bottle)』が全英で1位を獲得したのをはじめ、ヒット・チャートに顔を出すバンドとして世界を席巻していった。

 '83年に発表された5枚目のアルバム『SYNCHRONICITY』を最後に、ポリスは活動を停止したままになっているけど(復活はないんだろうな…)、このアルバムはポリスの頂点でもあり、ロックの頂点でもあるよね。収録シングルの『見つめていたい(Every Breath You Take)』は、米ビルボードでも'83年のNo.1ソングにも選ばれてる。

 “SYNCHRONICITY”っていうのは、心理学者カール・ユングが提唱した“意味のある偶然の一致”っていうことだけど、その言葉自体がひとり歩きして納得させられてしまうような汎用性と、ポリスというバンドそのもの、そしてクリエイティビティの中での実感がこもっている。
 そしてスティングはその“共時性”は認めながらも、それは“孤独から発生する誇大妄想”なんじゃないかと云ってる気がする。

 このアルバムは、A面の6曲とB面の5曲を別のコンセプトで仕切ってるような印象がある(まだCDの時代じゃなかったんだね〜)。
 音的にはもう“ポリス=レゲエ”の図式は無くなっていて、ジャズやクラシック、サイケデリックにエスニック、そしてシンプルなロックへの回帰といった多様性の中で、非の打ち所のない説得力とクォリティを生み出している。
 3人の個性を浮き彫りにしながらも、ポリスというバンドとしてのオトシマエを見せつけるような圧巻のA面 に、大ヒット曲『見つめていたい』から始まる淡々とした演奏の中にしっとりとした叙情性を描き出しているB面 。ポリスというバンドのカタチをとるギリギリのところだったんだろうね。。。

 「傑作」というのは、まさにこういうアルバムを指すんだと思う。

 


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